※当サイトにおいては、全国健康保険協会のみのケースを対象としており、健康保険組合のケースは対象としておりませんのでご留意ください。
【Q1】
法人として、新規に社会保険加入する上で、どんな書類を用意すればいいですか?
【A1】
最低限必須なのは、①新規適用届、②被保険者資格取得届、③法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)(提出日から遡って90日以内発行のもの)の3点になります。
被保険者として資格取得する役員又は従業員の方に、扶養する対象となる家族がいる場合には、「被扶養者(異動)届」が必要になる場合があります。
また、役員又は従業員の方が2つ以上の会社に勤務している場合には、「二以上事業所勤務届」が必要になる場合があります。
【Q2】
今、国民年金と国民健康保険に加入していますが、いつでも社会保険(厚生年金保険・健康保険)に切り替えが可能ですか?
【A2】
いつでも切り替えは可能です。
まずは、社会保険の新規加入の届出をして、その後、2~3週間後に健康保険の「資格確認書」が特定郵便にて会社所在地に届きますので、その健康保険の「資格確認書」と国民健康保険の被保険者証の2枚を持参して、いつも使っている役所に行き、国民健康保険の脱退の手続きを速やかに行って頂きたいと思います。
【Q3】
2024年12月2日から、マイナ保険証に変わりましたが、何か変わりますか?
【A3】
従来の被保険者証は、2024年12月2日以降に新規発行が終了し、マイナ保険証(マイナンバーカードに保険証利用の登録をしたもの)の利用が基本となります。ただし、2025年12月1日まで経過措置期間として、従来の被保険者証は引き続き使用することができます。
また、社会保険に加入すると、従来は健康保険の「被保険者証」が発行されましたが、2024年12月2日以降は、マイナ保険証を持っていない場合には「資格確認書」の交付を求める必要があります(社会保険新規加入時に、資格確認書の交付は希望できます)。
※「マイナ保険証を持っていない場合」とは、マイナンバーカードを保有しているが健康保険証利用登録を行っていない場合も含みます。
※「資格確認書」の有効期限は5年となっており、2029年11月30日まで有効となります。
【Q4】
会社を設立して、代表のみしかおらず、個人事業の延長と思っていましたが、それでも社会保険の加入は必要ですか?
【A4】
代表のみでも、代表に報酬が発生している場合には、法人として新規に社会保険に加入する必要があります。
よく代表であっても非常勤なので加入要件を満たさないのではないかと質問を受けますが、代表はどこの場所にいても指示命令が出来る立場なので、常勤・非常勤を問わないことになっています。
厳密に言うと、代表は、「代表という肩書きがあって、当然に経営に参画し、労務の対償として報酬を貰っている」という要件を満たせば、社会保険の加入要件を満たしていることになります。
【Q5】
一つの法人で代表をし、そこで既に社会保険加入している場合に、新規にもう一つ法人を立ち上げ代表に就任した場合は、社会保険に加入する必要はありますか?
【A5】
このケースでは、代表が2つの法人の代表をしていることになり、2つ以上の法人に勤務していることになります。1つの法人で既に社会保険に加入している場合であっても、もう一つの法人でも社会保険の加入要件を満たす場合には加入する必要性があり、代表は2社で社会保険に加入していることになります。
雇用保険とは違って、社会保険では各々の法人で加入要件を満たすならば、各々の法人で加入の手続きが必要になってくるということになります。
その際に必須となる届書が「二以上事業所勤務届」になります。
【Q6】
2つの法人で代表をし、各々社会保険に加入しましたが、その場合の保険料はどうなりますか?
【A6】
A社とB社とします。
A社では月給30万円、B社では月給20万円とします。
この場合、代表は月給50万円もらっているとみなし、標準報酬月額は50万円となります。
標準報酬月額保険料額表を参照してもらうと、厚生年金保険料は91,500円、健康保険料は57,900円となり、合計149,400円になります。
A社、B社で保険料を比例按分すると以下になります。
A社:149,400円×30万円÷50万円=89,640円
B社:149,400円×20万円÷50万円=59,760円
代表の保険料は、A社分についてはX年金事務所から89,640円が請求され、B社分についてはY年金事務所から59,760円が請求されるので、納付義務者であるA社、B社が各々責任をもって納付することになります。
(注)標準報酬月額保険料額表は、東京都で全国健康保険協会加入とします。
【Q7】
72歳で法人を立ち上げ代表に就任したが、厚生年金保険の加入年齢は70歳未満なので加入対象にはならないですか?
【A7】
代表で報酬を貰っている場合は、70歳以上であったとしても届出対象にはなります。
「70歳以上被用者該当届」という届書がありますので、それに必要事項を明記の上、提出が義務付けられています。
ただ、70歳以上ですので、厚生年金保険料は発生しませんが、「在職老齢年金制度」により受給している年金額が調整される場合があります。月当たりの報酬額(総報酬月額相当額)と年金受給額(基本月額)の合算額が支給停止調整額(令和6年度:50万円)を超えた場合、超えた部分の1/2の額が減額調整されます。
ちなみに、健康保険は75歳の誕生日の前日までは保険料発生しますので、72歳であれば加入対象となります。
【Q8】
77歳で法人を立ち上げ代表に就任したが、厚生年金保険の加入年齢は70歳未満、健康保険は75歳未満であれば加入対象とならないので、届出は必要はないですか?
【A8】
代表で報酬を貰っている場合は、75歳以上であったとしても届出対象にはなります。
【Q7】の回答の通り、75歳以上であっても在職老齢年金制度により厚生年金保険については、届出が義務付けられています。
ちなみに、健康保険は75歳の誕生日の前日までであり、75歳の誕生日からは後期高齢者医療制度に移行することになります。
【Q9】
法人の所在地は日本であるが、代表は海外に居住して事業を行っている場合、日本の社会保険に加入する必要はありますか?
【A9】
加入対象になります。
代表が海外にいて、非常勤的な働き方をしていても、日本法人の代表であり、なおかつ報酬をもらっているのであれば、社会保険上の加入要件を満たすことから加入対象となります。
【Q10】
法人の代表をしているが、売上が好転せず、社会保険料を捻出するだけの経営状態でない場合、どうすればいいのか?
【A10】
法人としての加入要件を満たす限り、例外なく社会保険の加入対象となります。
仮に、赤字状態が続いているとしても、加入要件を満たすのであれば加入義務は回避できません。
管轄の年金事務所に問い合わせてみて下さい。
【Q11】
代表とパート1名だけの法人ですが、パートの加入要件を教えて下さい。
【A11】
パートは、正社員をベースに考えていきます。正社員がいない場合には、仮に正社員を雇った場合を想定した上で、パートの社会保険加入の可否を判断することになります。
正社員の働き方が週40時間で、月当たりの所定労働日数が20日だと想定します。
週:40時間×3/4=30時間
月:20日×3/4=15日
このケースでは、「週30時間以上かつ月所定労働日数15日以上」の働き方をパートがしている場合は、加入要件を満たすことになり、資格取得届の提出が必要になります。
【Q12】
法人として、7月から社会保険に加入した場合、いつから保険料の支払いが始まりますか?
【A12】
7月加入の場合は、「翌月末日」つまりは8月末日が初回の保険料支払いの締切日になります。
【Q13】
保険料の請求書みたいなものはいつ頃届きますか?
【A13】
保険料の請求書の正式名称は、「納入告知書」と呼ばれています。
これは、例えば7月分の保険料については、翌月8月の20日前後に郵送通知されます。
【Q14】
年度の途中で、社会保険に加入する際、国民年金と国民健康保険を前払いしている場合は、ちゃんと戻ってくるのですか?
【A14】
国民年金は、年金事務所の所管であり、厚生年金保険と重なった月については時間はかかるものの返還はされます。
国民健康保険は、役所(区役所、市役所など)の所管であり、健康保険と重なった月については時間はかかるものの返還されると聞いております。詳しくは、役所に問い合わせをし、確認していただいた方がいいです。
【Q15】
社会保険は途中で脱退できますか?
【A15】
法人として加入要件を満たしている場合は、脱退は出来ません。
法的義務がある場合は、任意での脱退が出来ない仕組みになっています。
【Q16】
社会保険料を納付する方法には、どういったものがありますか?
【A16】
納入告知書を持参して金融機関等で振り込むか、口座振替を事前に申請するかになります。
口座振替は、インターネット銀行の一部は使えない状況にあります。
【Q17】
法人として加入要件を満たすのに、届出をしないとどんな罰則がありますか?
【A17】
届出義務違反として、「6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則が用意されています。
新規適用届や被保険者資格取得届は、事実発生日から5日以内の届出義務がありますが、これを超えた場合に、すぐさま罰則が適用されるわけではないので、そこはご安心下さい。
【Q18】
新規適用届の手続きは、どんな方法がありますか?
【A18】
書類の場合は、窓口提出又は郵送提出になります。
また、電子申請による届出方法もあります。
【Q19】
社会保険の新規加入手続きに際して、事業主印や印鑑証明書は必要ですか?
【A19】
提出書類への事業主印の押印は省略になっています。
印鑑証明書の添付も不要です。
【Q20】
扶養に入れる家族の年収要件はどうなっていますか?
【A20】
他の要件を満たし、年収130万円未満の場合、「被扶養者(異動)届」を提出可能です。
この年収130万円は、加入日から向こう1年間の見込まれる年収になりますので、ご留意ください。
年収103万円以下の場合は、収入を証明する書類の添付は不要です。
年収103万円超130万円未満の場合は、収入を証明する書類の添付が必須であり、例えば収入額が記載されている給与明細書などが該当します。
【Q21】
将来、どれくらい年金が貰えるのかを知りたい場合、どうすればいいですか?
【A21】
概略であれば、誕生日月に郵送される「ねんきん定期便」を参照して下さい。
詳しく確認したいのであれば、最寄りの年金事務所に電話予約を入れ、個別ブースでの年金相談を受けるのがよろしいかと思います。
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